日本で一番いろいろなゴルフ場に行ける場所はどこか
― データで出した“ゴルフ王国”ランキング
「近くのゴルフ場」を探す記事はいくらでもあります。でも、もっと素朴で、もっと面白い問いがあります。——日本でいちばん“いろいろな”ゴルフ場に行ける場所はどこなのか?
単にコース数が多い場所ではありません。丘陵も林間も河川敷もシーサイドも高原も、全部が手の届く範囲にあって、しかも一年中回れる。そんな場所が日本のどこかにあるはずです。公開データと独自指標で、この問いに正面から答えます。
ANSWER
都道府県なら千葉県。市町村まで絞るなら、千葉県市原市。
千葉県は営業中ゴルフ場155コースで全国1位。さらに市原市ひとつに33コースが集中し、これは市町村別で日本一です。丘陵・林間・河川敷・シーサイドがすべて揃い、冬でもほぼ通年プレーでき、都心から車で1時間圏。「いろいろなゴルフ場に行ける」という条件を、これほど高い水準で満たす場所は他にありません。
※ゴルフ場数はゴルフ場業界紙「ゴルフ特信」を発行する一季出版の調査(2025年4月中旬時点の全国営業中ゴルフ場数)にもとづきます。市町村別の数値は各種公開資料・報道による。
まず数字を見る:日本のゴルフ場は今いくつあるのか
ゴルフ場業界紙「ゴルフ特信」を発行する一季出版の調査によると、2025年4月中旬時点の全国の営業中ゴルフ場は2,110コース。前年同期比で11コース減っています。都道府県別の上位は次のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | コース数 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 千葉県 | 155 | ▲2 |
| 2位 | 兵庫県 | 149 | ▲1 |
| 3位 | 北海道 | 141 | ▲1 |
| 4位 | 栃木県 | 116 | ▲2 |
| 5位 | 茨城県 | 113 | ▲2 |
| 最少 | 島根県 | 7 | — |
※100コース以上を抱えるのはこの5道県のみ。6位以下は各社の集計時点により差があるため、本記事では公表が確認できた上位5道県と最少県を掲載しています。
この数字が実感になる換算
2,110コースという数字は大きすぎてピンと来ません。週に1回、毎回違うコースを回ると仮定して換算してみます。
- 全国2,110コースを週1で全部回る → およそ40年
- 千葉県155コースを週1で全部回る → およそ3年
- 市原市33コースを週1で全部回る → およそ8か月
つまり、市原市に住んで毎週ゴルフに行けば、1年経たないうちに市内のコースを制覇できてしまうということです。そしてその33コースは、丘陵あり、河川敷あり、名門あり、格安ありでキャラクターがまるで違います。これが「いろいろなゴルフ場に行ける」ということの実体です。
独自指標「バラエティ指数」の作り方
コース数が多いだけでは、この記事の問いには答えられません。北海道は141コースを抱える一方で、冬季は多くのコースがクローズします。「行ける」という言葉には、距離・種類・季節の3条件が含まれているはずです。そこで GOLF INDEX では次の4項目・100点満点で採点しました。
GOLF INDEX バラエティ指数(100点満点)
- コース密度(30点) … 営業中ゴルフ場数そのもの。選択肢の絶対量。
- タイプの多様性(25点) … 丘陵/林間/河川敷・パブリック/シーサイド/高原・リゾート/名門トーナメントコース、いくつの“顔”が揃うか。
- 通いやすさ(25点) … 大都市圏からの到達時間、高速道路網、公共交通での行きやすさ。
- 通年プレー(20点) … 冬季クローズの有無、積雪・凍結・猛暑によってプレーできない期間の短さ。
※コース密度は公表データにもとづきますが、他3項目は公開情報をもとにGOLF INDEXが独自に判断した編集スコアです。「どこが優れているか」ではなく「“いろいろ回る”という目的にどれだけ合うか」を測る指標である点にご注意ください。
ゴルフ王国ランキング(バラエティ指数トップ5)
千葉県 155コース
96/100コース数で全国1位。しかし千葉の本当の強さは「1時間圏内に性格の違うコースが全部ある」ことにあります。市原・木更津の丘陵、印西・佐倉の林間、江戸川・利根川沿いの河川敷パブリック、九十九里・館山の海沿い、そしてPGAツアーやJLPGAの舞台になる名門まで。日本のゴルフ場のタイプ見本市のような県です。
加えて、冬でも雪でクローズすることがほとんどなく、アクアラインと圏央道の整備で東京・神奈川からのアクセスも年々良くなっています。「何度でも、違うコースに、一年中行ける」という条件を唯一すべて満たすのが千葉県です。
兵庫県 149コース
90/100関西のゴルファーにとっての千葉が、兵庫県です。149コースは全国2位。三木市・加東市・小野市といった北播磨エリアにコースが密集し、大阪・神戸の両方から通える立地にあります。とくに三木市は市町村別でも全国2位の規模(25コース)です。
日本のゴルフ発祥地である神戸ゆかりの歴史あるクラブから、六甲山系の丘陵、瀬戸内の穏やかな地形まで、コースの「格」の幅が広いのが兵庫の特徴。名門と格安が同じ県内で選べます。
茨城県 113コース
84/100コース数は5位ですが、「安くて広くて一年中回れる」という実用性で3位に置きました。関東平野の平坦な地形を活かしたフラットで広いコースが多く、初心者・初ラウンド組にとって日本でもっとも優しいエリアのひとつです。
それでいて、日本ゴルフツアー選手権が長く開催されてきた宍戸ヒルズのような本格派も擁しています。「気軽に何度も」と「本気で挑む」が同じ県内で両立するのが茨城の強み。常磐道・圏央道沿いに広く分布しており、都心からの週末ゴルフの定番です。
栃木県 116コース
81/100コース数は全国4位の116。栃木の面白さは標高差による“季節のずらし方”にあります。平野部の佐野・栃木・小山エリアは格安コースの宝庫で、那須・日光方面へ上がれば夏でも涼しい高原ゴルフになる。同じ県内で、夏と冬で行き先を変えられるのは他県にない特徴です。
東北道沿いに集中しているため車でのアクセスは明快。ただし冬場は北部で凍結・積雪の影響が出るため、通年プレーのスコアはやや控えめにしています。
北海道 141コース
73/100コース数141で全国3位、コースそのものの質と多様性なら間違いなく日本一です。シーサイド、白樺の林間、火山地形を活かした戦略型、リゾート——スケール感は本州のコースと別物です。
それでも本ランキングで5位になるのは、この指標が「何度でも、いろいろ行けるか」を測っているからです。冬季は多くのコースがクローズし、プレー可能期間はおおむね春から秋に限られます。移動距離も長い。つまり北海道は「通うための場所」ではなく「遠征するための場所」。年に一度の本気の遠征先としてなら、日本で最強の選択肢です。
市原市 ― 33コースが集まる“ゴルフ銀座”
都道府県の話をさらに絞り込むと、答えはひとつの市に行き着きます。千葉県市原市。市内に33のゴルフ場があり、これは全国の市町村で最多です。2位は兵庫県三木市の25コース。市原市には年間160万人規模のゴルファーが訪れるとされ、地元では「ゴルフ銀座」「ゴルフの街いちはら」という呼び方が定着しています。
なぜ市原にこれほど集まったのか
理由は地形と距離の掛け算です。市原市は房総丘陵の北端にあたり、ゴルフ場に向く緩やかな起伏の土地が広く残っていた。そのうえ都心から車でおよそ1時間、京葉道路・館山道・圏央道が交わる結節点にあります。「開発に適した土地」と「都心からの近さ」が同時に揃った稀な場所だったわけです。
33コースの“質の幅”がすごい
市原の面白さは数だけではありません。同じ市内に次のようなコースが同居しています。
- 平日1万円を切ることもある実用コース … とにかく数を打ちたい人の練習場代わり
- 大手運営の整備が行き届いたコース … 予約も精算もスムーズで、コンペ幹事に優しい
- 丘陵の戦略型コース … 打ち下ろし・打ち上げ・谷越えが入り、飽きがこない
- 接待でも使える格上のクラブ … クラブハウスと食事のレベルが違う
つまり「今日はどういうゴルフをしたいか」で行き先を選べる。これがバラエティの正体です。関東在住なら、市原を自分のホームエリアに設定して片っ端から回っていくだけで、ゴルフの引き出しは確実に増えます。
→ 千葉エリアのゴルフ場まとめ/条件からコースを探す(ゴルフ場ファインダー)
もうひとつの事実:ゴルフ場は毎年減っている
この記事を書くために数字を追っていて、無視できない事実に行き当たりました。日本のゴルフ場は減り続けているということです。
- ピークは2004年の2,356コース
- 2025年4月時点で2,110コース(ピーク比 246コース減/約10%減)
- 2004年比の減少率が大きいのは福島県41.7%減、島根県36.4%減、鳥取県28.6%減、岡山県27.8%減
- 減少数が大きいのは北海道35コース減、福島県25コース減、栃木県23コース減
コース数1位の千葉県でさえ、前年から2コース減っています。これは「日本のゴルフが衰退している」という単純な話ではなく、経営の集約と、地方における選択肢の縮小が同時に進んでいるということです。とくに減少率が高い地域では、「気になっているあのコース」が数年後にも存在しているとは限りません。
結論として、この記事の実用的な提案はこうなります。——行きたいと思ったコースには、行けるうちに行っておく。
「いろいろ回る」を実行に移す3ステップ
STEP 1|自分のホームエリアを1つ決める
コースを分散させると、移動と情報収集のコストばかりかかります。まずは自宅から90分以内で、コース数が多いエリアをひとつ決める。関東なら市原・木更津/印西・佐倉/笠間・茨城南部、関西なら三木・加東。そこを「自分の庭」と決めて、片っ端から回っていくのが最短です。
STEP 2|タイプを意識して回る順番を組む
同じようなコースばかり回っても上達しません。丘陵 → 河川敷 → 林間 → シーサイドと、意図的にタイプを変えるとショットの引き出しが増えます。打ち上げ・打ち下ろし、風、狭さ、芝の違い——それぞれが別の課題を突きつけてきます。→ コース地形タイプ完全ガイド
STEP 3|年に1〜2回、「遠征」を混ぜる
近場を回り続けると、どうしても基準が固定されます。年に一度は北海道・沖縄・九州・高原といった、まったく違う気候と地形のコースへ。遠征は上達のためというより、ゴルフを長く続けるための燃料になります。そしてもし本気で一日を使うなら、プロが戦った舞台に立ってみるのがいちばん記憶に残ります。
→ プロが戦ったあの舞台に立つ ― ツアー開催コース7選/宿泊ゴルフ旅ガイド
よくある質問
ゴルフ場の数が一番多い都道府県はどこですか?
千葉県です。ゴルフ場業界紙「ゴルフ特信」を発行する一季出版の調査によると、2025年4月中旬時点で千葉県の営業中ゴルフ場は155コースで全国1位。2位は兵庫県149コース、3位は北海道141コース、4位は栃木県116コース、5位は茨城県113コースです。100コース以上を抱えるのはこの5道県のみです。
市町村単位でゴルフ場が一番多いのはどこですか?
千葉県市原市で、市内に33のゴルフ場があります。全国の市町村で最多で、2位は兵庫県三木市の25コースです。市原市は「ゴルフの街いちはら」を掲げてゴルフによる街づくりを進めています。
ゴルフ場が一番少ない都道府県は?
島根県で7コースです(2025年4月中旬時点/一季出版調べ)。2004年比では36.4%減と、減少率でも全国上位に入っています。
北海道はコース数3位なのに、なぜランキングで5位なのですか?
この記事の「バラエティ指数」が、コース数だけでなく「通いやすさ」と「通年プレーできるか」を重く見ているためです。北海道はコースの質と多様性では日本最高水準ですが、冬季は多くのコースがクローズし、移動距離も長くなります。「何度も通う場所」ではなく「年に一度の遠征先」として最強、という位置づけです。
日本のゴルフ場は増えていますか、減っていますか?
減っています。ピークは2004年の2,356コースで、2025年4月中旬時点では2,110コース。約20年で246コース、およそ10%減少しました。前年同期比でも11コース減となっています。